【易爺の愚問愚答】〔その1〕 震卦の「足」と坎卦の「車」の象意について

【易爺の愚問愚答】〔その1〕 震卦の「足」と坎卦の「車」の象意について

おはようございます^L^
先日、めずらしく【易爺】にこんな質問メールが来ました:
・・・
八卦の物象について、震の卦を「足」と見、坎の卦を「車」と見るのは、どういった理由からでしょうか?
震の卦が「足」と見ることは、公田連太郎先生の『易経講和』には、山火賁の初九の説明で何となくわかりますが、坎の卦は全く分かりません。

八卦のいろいろな象が易学大講座で書かれていますが、わかりやすく覚えやすい方法などはないでしょうか?
・・・


易爺は、時間が無かったので 簡単にこんな返事をしました:

前略

◆震の「足」について
 卦象【かしょう】の☳をみても、上爻が上体、中爻が胴体、初爻は下の部分、身体の一番下は足
 漢字の「足」は「囗」=上にある目標に向かって進む足の裏の形が「止」です。上向きの足のうらの形「止」の下の「一」が地面で、初爻です。

 地震の震は坤☷の地下から振るい起こるものです。

★★★爻位の陰陽をみて爻卦をみる方法も参考になります:

 初爻の陽は「震」、初爻の陰は巽、
 二爻の陽は坎、二爻の陰は離、
 三爻の陽は艮、三爻の陰は兌、
 四爻の陽は震、四爻の陰は巽、
 五爻の陽は坎、五爻の陰は離、
 上爻の陽は艮、上爻の陰は兌、 
から連想するのもいいでしょう。
【これは、紀藤元之先生の四遍筮法で、いつも仰言っていた爻卦の求め方でもあります^L^】


◆「坎☵」の車について
 卦の見方には「体」と「用」の見方があります。

「体」は形から見るものです、「☵」は真ん中の⚊が車の本体、初爻と上爻の⚋は車輪とみる。
 車輪の下には、坤☷の地面が隠れて車を載せています。

 ちなみに「輿」・・神輿【みこし】の輿ですが・・漢字の形から真ん中の「車」は⚊、まわりの「E」と「ョ」下の「ハ」は輿を持ち上げる人々☷の手です。☵は御神輿【おみこし】など輿〔こし・くるま〕をたくさんの人が担ぎ上げている・多くの人びと【=☷坤】が担ぎ上げて移動するものです。

輿 の甲骨文、金文.jpg・・・白川静著『字統』(平凡社)より模写したものですm(_ _)m・・・

★★★「輿」の字については
【易爺】の【易爺】の漢字の話:与〔與〕挙 欅 輿 興①ブログを参照してください^L^


◆『易経』の爻辞にみる「輿」の字は、

・地水師の九三「師或輿尸」は内卦の坎☵

・地水師の九五「弟子輿尸」は九五の応爻の内卦の坎☵、

・風天小畜の九三「輿説輻」
 ”乾錯坤、輿之象意。変兌爲毀折〔きせつ〕。脱輻之象”
 ・・・来知徳の『周易集注』・・・
 【易爺】の自己流の解釈ですが、
 「乾錯坤」の錯は錯卦〔さくか〕の「錯」で乾☰の錯卦〔さくか〕は坤☷である、という意味です。
 錯鏤〔さくる〕という、地金のなかに象嵌をおいて磨き出す方法があるそうです。
 乾☰の卦の下にある裏卦として坤☷を錯しているという意味でしょう。
 ☰乾の君主・偉い人を下から☷の民衆が持ち上げている象の意味。
 あとは三爻を変ずると下卦が乾☰から兌☱の毀折〔きせつ〕=車の故障「輻を脱く」に変化する意。
 「」

・山地剥上九「君子得輿」・・これは艮☶をみたもの、君子の載った輿が上爻の⚊、下の⚋二つは「かつぎ支える人々。☶は”手”も意味する。」・・・これがなくなると、内閣は潰れる可能性があります。

 【易爺】の ことしの菅内閣総理大臣の年筮は四遍筮法で元卦:比䷇ 之卦:小過䷽でした。
 元卦之卦を坤☷の包卦とみるのです、解ります?
 三・四・五爻の☶→☱になるのです><;
  
 何時そうなる可能性があるか?
 艮〔丑・寅〕を坤〔未・申〕が冲剋するとき・・・つまり、申金が寅木を剋するときです。
 ・・・こ卦の象意には後天八卦図・文王の八卦図が役に立ちます。
 ・・・八卦の物象を簡単に憶える方法の一つはこの辺にあります。

後天八卦については【易爺】は余り書かないのですが、説明に時間がかかるのと、後天八卦は東洋の占いには必須のもの、つまり常識ですから同じことを何回も説明してきてイヤになっているのです。

ただ初心者には、簡単に八卦の象意を覚える方法でもあると思いますので、つぎの機会に後天八卦について詳しく説明するつもりです。

★そのほか「車」や「足」「趾」「拇」の爻辞についても、一つ一つの爻辞を調べてみると、ご自身で納得できると思いますし、これが簡単に憶える方法です。
 深く理解したい・疑問を解決したいという強いインタレストを持つことが一番です。
 人に教えられた簡単な方法は、何回も反芻して自分のものにしないとイザという時に役に立ちません。・・・厳しいようですが、【易爺】はこう考えています。けっこうキビシイでしょう^L^

・山天大畜の九二、と九三にありますが、考えてみてください^L^


◆「車」について、卦の体と用の「用」=作用、働きのほうからみると、
「矯【車柔】〔きょうじゅう〕」の【車柔じゅう】真っ直ぐなものを曲げる、輪にするところから輪→車
 矯【車柔】〔きょうじゅう〕→弓・輪などがあります。他にもいろいろ考えられると思います。

 この矯【車柔】〔きょうじゅう〕については、次回のブログに書きます。

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