【夏休みの漢字研究】きょうは処暑、處と処のちがいは? 虎の「儿」と處の「几」の違いは?

おはようございます^L^
今日から『処暑』、暦の上では暑さが収まってくる頃です。
処暑の初候は「綿柎開」=綿の花の萼〔うてな〕が開き始める季節という意味です。
萼〔うてな〕とは臺〔うてな=台〕のことです、花の台にあたる部分ですから、子房の上の部分・雌しべの付け根ぐらいでしょうか^L^

小生は綿の花といえば、芙蓉の花を思い出します。芙蓉の花が枯れて種になると綿のようなもので包まれているのです、あの光景を思い出します。

8月23日芙蓉開く 綿しべ開く.JPG
処暑の次候は「天地始粛」・天地はじめて粛〔さむ〕し、です。

・・・きょうの日筮は天地否の三爻「羞を包む」でした。
・・・今月は、易の卦でいうと陰陽不交の天地否の時節になります><;

◆処暑?・・・暑さを処〔ところ〕す、ってどういう意味?
・・・暑さを処分するとか、暑さを処理ですなら何とか理解できますが・・・。

白川静先生の『字統』には
処〔處〕
 ショ
 おる・ところ・おく

【会意文字】
 旧字は「處〔しょ〕」に作り、虎と几に従う、
とあります。

 虎のカブリモノをしたものが「几〔キ・腰かけ〕」にかけている形、
 虎はおそらく虎の皮を覆い被って戯劇〔ぎげき〕などの神事的な所作を演ずるものであろう、
という説明があります。

 おもい鎧兜〔よろい・かぶと〕を着けた戦国武将が床几〔しょうぎ〕に腰かけて
「ことしの暑さは堪〔たま〕らんわ」といいながら休憩している姿を想像します^L^


◇『説文解字〔せつもんかいじ〕』の十四上の「処」の項には、

「止也、得几而止、从几从夂」
・・・止まるナリ、几〔き〕を得て止まる、几に从〔したが〕い夂〔ち〕にしたがう・・・
とあり、處〔しょ〕の字は重文として記録されています。

 白川先生は、この『説文解字』の説明にたいして、
記録に残っている金文はすべて處〔しょ〕の字で、「処」の例はひとつもないので、處〔しょ〕を正体とするべきであると主張されています。

 また、虎の象形文字の最後の「儿」が気になるところですが、これは虎の尻尾であり「几【腰かけ】」や「儿【ひとあし】」ではない、ということでしょう。

 處〔しょ〕の夂〔チ〕のほうは、「虎足の象である」と説明されています。

 【易爺】は「虎のカブリモノをした人の足」の方が面白みがあるのに・・・^L^


 朝から小生のもっている数少ない金文集の中から「處〔しょ〕」の字を探していたのですが、見つかりませんでした><;


 最後に『字統』にある字をUPしますので、夏休みの自由研究の参考にしてください^L^
 ジジィになると視力も弱くなり スキャナーのピントもズレて来ます、不悪^L^

【画像】白川静先生の『字統』の虎と処の象形文字の画像
 著作権の関係で削除しましたm(_ _)m

 
ところで「”犬”の字の“丶【チョン】”は何の意味?」の疑問解けましたか?
・・・これも『夏休みの漢字研究』のネタ「虎の”儿〔ひとあし〕”は何?」になりそうですね^L^
・・・調べ尽くして最後は断定するか、将来の課題とするか、
・・・易爺は現段階ではこうです、という結論を出す方が好きです^L^

参考文献:『字統』著/白川静(平凡社)

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